封印されしモヤモヤ感その9
そんな水曜日の翌日。
「ちょっといいかな」
私は部長と取締役に呼び出されました。
案の定、昨日の件でした。
取締役「昨日の件やけど」
私「はい」
取締役「もう一度検討しましたが、やはり難しいだろうと」
私「そうですか」
取締役「ごめんな。だから予定通り(7月1日付まで、あとは有休消化)で」
私「……いえ、お時間取って頂いてありがとうございました。」
取締役「いや」
私「……ちなみに、社内結婚の何が問題なんですかね。以前部長は《気にする人もいるから》と仰っていましたけど」
取締役「色々やな。まぁ、数年後、数十年後良くなってるとええな。それこそあなたの旦那が社長になったときにでも」
私「そうですか」
取締役「そんで、引き続きの件やけど、別の部署の人を当てようと思ってる。勝手が分かる分、新しい人より飲み込みは早いと思うからそれで対応したって」
私「その方にはもうお話は……」
取締役「いや、これから話してみる。まぁ、大丈夫やろ」
私「そうですか。わかりました」
取締役「まぁ、その人の様子によってはもしかしたら少し延長してもらうかもしれへんけど……」
私「もしもの場合ですか」
取締役「まぁ、大丈夫やろ( ̄▽ ̄)」
私「(お世辞かよ)はい。もしものときは出来る範囲でご協力します」
取締役「うん。じゃあ残り……2ヶ月くらいか。引き続き宜しく」
私「はい」
改めて検討してもらった上でNGが出ました。
私は諦め、退職することを受け入れました。
それから引き続きの資料をまとめたり、机の整理をしたり引継ぎの準備を始めたのです。
新しい方がいつ来てもいいように。
ですが、次耳に入ってきたのは「まさか」な、いや、「やっぱりね」な展開でした。